episode0『100年の家物語』

小諸市のH様邸のリノベーションが完了し12月中旬、無事に引き渡しとなりました。

 

セミの鳴く真夏の暑い時期より着手し、庭の秋の紅葉を感じ、

浅間山に雪のかかった寒い冬を迎えるまで毎日通ったお宅なので…

引き渡しの時は、すごく嬉しくもあり爽やかな気分であったと同時にさみしさもありました。

 

 

 

『卒業…』ということでしょうか?
しみじみと感じる今日この頃です。

 

真夏の暑い日での解体作業…

雪のかぶった浅間山を眺めながらの温かい珈琲…

毎日、毎日、職人同士で語り合ったお茶の時間…

いつも仲間が集まる場所…

ご主人様のまごころのある差し入れが本当に嬉しかったです。

 

なんだか卒業式の呼びかけのようになってしまいましたが(笑)

 

本当に心をこめて作業した家なので…

また、素晴らしい仲間(職人)と充実した仕事が出来た幸せな時間だったので…

私自身が少し燃え尽き症候群なのかもしれません。(笑)

 

 

 

 

さて、普段は、施工事例などを載せてお伝えするのですが、今回は、【エピソード0】なので、少し違った形のテーマでお伝えしたいと思います。

 

 

 

 

今回、築40年、ご両親の家をリノベーションするにあたり施主様であるご主人とたくさんのお話をさせて頂きました。

設計の段階から、たくさんのご要望を聞き、その全てが家族への大切な思い、やさしさに溢れる内容でした。

 

なので、もう、その段階で、『素晴らしい家』になることは確定していたのだと思います。

 

 

 

また、時折の世間話にて、

幼少の頃の話、庭先でのBBQ。

学生時代の話。

家裏の大きな木の話。

 

 

 

おじいちゃんが手入れしていた庭の話

 

 

そんな、思い出話を通じて、この家で過ごした思い入れや愛着を本当に感じ取る事が出来ました。

 

 

それで、(リノベーション前での)こちらの家の事をお伝えしますと…

 

 

※解体時の様子

 

この日本家屋は、素晴らしい技術をもった先人の職人の手により本当に丁寧に作られ

築40年たった現在においても腐食もカビもまったくなく

何かあってもビクともしない頑丈な骨格を保っておりました。

60坪の大きな家で、ふんだんに国産木材が使われておりすごく立派な家屋でした。

驚いたのは、壁が2重構造になっていた事。

さらに屋根を支える野地板は、通常の家屋の2倍の厚みを持っておりました。

 

家族を守るという信念、たくさんの愛情、家族への思いが溢れた家でした。

 

だから、私は思ったのです。

言葉なくても、その思いっていうのは継承されてゆくんだな~って。

 

今回のご主人様のリノベーションにおけるご要望と40年前、家を新築する時のご要望は同じだったと思うのです。

 

たくさんの愛情、家族への思いが溢れた家

 

 

ご両親からご主人様へ、そして自身のお子様へ100年の壮大な物語です。

 

 

だから、私たちは、ここから50年の物語の少しをサポートをしたに過ぎません。

可愛らしく天使のような笑顔で部屋を走りまわっているお子様が…

やがては成人し…そしてパパのような素敵な人を見つけ、そして可愛い子供が生まれ…

その先まで物語は続いて行きます。

 

だから卒業じゃありません。(笑)

 

燃え尽き症候群解消!!

 

これから50年、その先までどうか末永いおつきあいをよろしくお願いします。

 

そんな物語の象徴であるこの柱に願いをこめて

 

 

PS 春先の家族そろっての庭でのバーベキューしている光景が、今から目に浮かびます。

…あっ、口元のタレがこぼれるよ…

episode1へつづく

 

 


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